純情仔猫物語

仔猫の一時預かりボランティアをしています。
里親探して三千里。どうかこの仔たちを家族の一員にと奮闘している泣き笑い日記です。

<< September 2018 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 >>
<< 若かりし頃のチップさん | main | 純情仔猫物語 2012-2013 カレンダーの紹介・2 >>

今日はイギリスの猫の保護活動について簡単に紹介したいと思います。
以前KAZU通信で、水辺には白鳥が、道端には野うさぎが、なんて話をしましたが、そんな素敵なイギリスでも日本と同じように猫や犬の放棄、野良化の問題も存在します。
日本と比べて動物愛護が国中に根付いていて、飼っている犬猫を放棄する人はいない、などということは決してありません。
ブリーディングに関する問題も報告されており、ネット上で簡単にブリーダーと販売猫を探すことも出来ます。
近年ではブリーダーのモラルの欠如(遺伝学的に熾烈なインブリード等)等も顕著になってきているようです。
日本とは好まれる猫の外見の傾向も違い、ペルシャなどの顔が潰れて、目や鼻が中心に寄った猫が人気があります。
より売れる商品を作り出そうとすることはどの国も同じです。
ブリーディングの問題についてはまた次の機会に触れたいと思います。

イギリスでも里親探しの活動は公の団体、個人のボランティアどちらも行われています。
公的団体で一番大きいのがCATS POTECTIONと呼ばれる団体です。
今日はCATS PROTECTIONの活動報告を参考にイギリスの猫保護活動の一端を覗いてみましょう。

「CATS PROTECTION http://www.cats.org.uk/index.aspx」は日本とは桁外れに大きな団体です。
創立は1927年にさかのぼります。
2008年のデータでは

イギリス国内に29の譲渡施設(シェルター)がある。
250のボランティア団体を下部組織に持つ。
7,000人のボランティアが登録されている。
保護猫数は常時7,000匹を超える(全シェルター合計)。
年間譲渡数は55,000匹に及ぶ。
避妊去勢手術数 年間170,000匹以上。

ちょっと我々個人ボランティアには想像できない数字です。
動いている資金も年間10億円を優に超えています。
各譲渡施設がそれぞれ避妊去勢手術や里親探しの活動を精力的に行なっていて、それぞれが有機的に組織化されています。
近年力を入れているのが、青少年への認知活動、とくに子供に対する猫との共生についての教育活動です。
「Cats for kids http://www.cats.org.uk/cats-for-kids」というサイトも用意され、子供たちへの啓蒙が行われています。

イギリスでは基本的には店舗での生体販売は禁止されていますので、日本と同じようにはペットショップで購入するということはできません。
ですので、猫を飼おうと思った場合、ブリーダーから購入するかもしくはシェルターで探すことになります。
シェルターの存在自体は一般化してはいますが、すべての人が知っているわけではないようです。
地域によっては野良猫がほとんど見られない場所もあるようですが、それでも飼い猫を簡単に放棄してしまう人は増えているとのことです。
イギリス国内での飼い猫の数は1,000万匹と推計されています。
猫は減少傾向にあり、どちらかと言えば飼い犬の数が増加傾向にあるようです。
飼い犬はおよそ800万匹と言われています。
日本のそれとほぼ同じような数値が出ています。
イギリスでは2009年のデータで一年間で10万匹を超える野良犬、捨て犬が見つかったそうです。
捨て猫も近年25%という増加率で増えていると言われています。
特にヨーロッパでは近年の経済危機の影響が大きいと言われ、経済的に飼養が困難になって捨てられてしまうケースが出てきています。

こういったシェルターの存在が膨大な数の猫の譲渡行なっているというのは心強いデータである反面、その数字を読み解くと、毎年これほどの数を譲渡しておきながら、なぜその数が一向に減って行かないのか、ということです。
もちろん猫の旺盛な繁殖能力にも原因があります。
猫の妊娠期間は約2ヶ月間です。
また生後一年ほどもすれば出産を始めます。
場合によってはもっと早いですね。
その一方、安易に飼い猫を捨ててしまうという人間のモラルの崩壊にも一因があります。
”No-Kill"を合言葉に保護活動は行われていますが、放棄して野に放つことは殺してしまうことと変わりありません。

振り返って日本では、アプローチの仕方が殺処分という形をとりますし、もちろん我々ボランティア活動で救える命は限られています。
さらに、それぞれの活動が独立もしくは孤立して行われており、それ以上の大きな活動となっていない現状があります。
本来はCATS PROTECTIONのように里親探し(Homing,Rehomingと言います)と避妊去勢、そして飼い猫の修正飼育の啓蒙活動のすべてが一貫して行われることが理想だと思います。
CATS PROTECTIONのシェルターでは、少なくとも簡単に殺処分という選択肢を選ぶのではなく、時間がかかってもそれぞれの猫の新しい家族を探すという活動が地道に行われており、中には全く里親が見つからない猫さんもいるようですが、それでもいつまでもそのシェルターで過ごすことができるとのことです。

KAZUさんの保護活動の出発点の第一歩は、消される命を救いたい、というものです。
ここ数年は活動範囲を広げていましたが、それでもまずは今日、明日に殺される命を助けたい、自分にできるのはそこからだとの思いは強かったのです。
そして殺処分される猫を無くすには、法改正が必要で、それなしでは保護活動はエンドレスなのだということなのです。
もちろんイギリスの猫保護活動にも多くの課題があります。
例えば黒猫の処遇です。
今でも中世から続く魔女の伝承などの影響を強く受けていますので、不吉なイメージの代名詞とされている黒猫はシェルターでも貰い手を見つけるのが難しいのです。
イタリアでは黒猫狩りさえ存在します。
おそらくほかのヨーロッパ諸国でも同様のことはあるでしょう。
猫の虐待も報告されています。
昨年末イギリスの、とある市議会議員が子猫4匹を虐待死させ、5ヶ月の懲役刑に処されています。
ですが、殺すことが当たり前の命を救う日本の活動と、里親探しに注力することが使命であるというイギリスの活動を比べれば、こと猫保護活動に限って言えば、後者のほうが健全であると思います。

もう一つの問題としては、日本での殺処分される猫の数は年間およそ20万匹ですが、仮に殺処分が禁止されたとすると、その20万匹をどのように処遇するかということも課題として挙げられます。
猫の繁殖力は驚異的ですから、それには避妊去勢の徹底が必要です。
ただ日本のTNRにも問題があり、その後のケアがないのです。
例えば、アメリカではTNR後はcaretakerと呼ばれますが、TNR後の猫のコロニーの形成を人間が手助けをします。
そこでは給餌、排泄物の処理、医療ケアも含めて、一旦人間の都合で手をかけた以上、手厚いサポートをTNR後の猫に行います。
実際の野良猫の平均寿命はアメリカでは1年半ほどと言われているようですが、caretakerのサポートがあれば10年以上生きることもあるようです。
日本でもTNRと地域猫活動を正しく理解し、ケア活動をされている方もいらっしゃいます。
TNRとは本来は人間のエゴからくるものです。
他の動物の数を人為的にコントロールすることの恐ろしさと、それがはらむ大きな矛盾に気づかなくてはいけません。

「殺処分はダメ、だから新たな生命は産ませない。」

両立しているようで、実は大いに矛盾しています。

「殺すのはやめよう、そして新たな生命を迎え入れよう。」

本来はこれが正しいはずです。

人間は他の動物の命の数に手を入れるほど、その存在は自然のルールから逸脱しています。
そのことは認めなければなりません。
その上で、TNRのメリット、例えば乳がん発生率の減少、寿命が長くなる、などに目をやった時、初めてTNRが必要だと言えるのです。
もちろんその後のコロニーのケアがあってのことです。
TNRについては、それだけで多くを語れてしまいますので、またの機会にしたいと思いますが、猫保護活動はこの日本においては、殺処分問題、TNR問題などをそれぞれが単独ではなく、総合的に考えていく必要があるのだということです。

さて、イギリスに話を戻しますが、私が得られる情報はネットからのものと、イギリスに住む妹からのものだけしかありません。
妹自体も猫保護活動をしているわけではありません。
ですから、常に情報が正確だとは思っていませんし、あくまでも一部でしかないと思います。
イギリスではペットの生体販売は禁止であることは前提としてはありますが、非合法で行なっているペットショップがあるかもしれません。
水辺で羽を休める白鳥は、近づけば悪臭と抜けた羽で周囲を汚します。
ですから、間引かれます。
殺処分です。
極力正確に伝わるように務めていますが、必要であればリンク先も覗いて確かめてください。
全てに懐疑的になる必要はありませんが、ネット上の情報がすべて正しいとは限りません。
色々な側面を持つということは頭においておくといいのではないかと思います。

次は海外のブリーディグの問題を取り上げたいと思います。

-------------------------------------------------------------------------------------

爪をとぐ国ちゃんです。
ちょっとぼけちゃってますけど。









国ちゃん、満足しましたか?

2クリック応援お願いします(。・ω・。)ノ



| 07:39 | 処分ゼロを目指して | comments(5) | - |
marinemama (2012/01/30 5:03 PM)
保護活動は矛盾との戦いですね。
殺したくないけど避妊はさせなければならない。

そして保護活動をしている人たち同士での分裂も聞きます。
動物の命を守りたいという基本が一致しているのに、大きな団体さんになればなるほど考え方の相違があるのでしょうね。

イギリスでの活動資金が10億円!
フリマやカレンダー等の販売から活動費用を捻出している日本の活動家の皆さんにとっては、ため息の出るような額ではありませんか?
その資金源は企業からでしょうか?
それとも自治体(税金)からでしょうか?

各国の事情は違えど、それぞれの国で、命に対して真摯に向き合う地道な活動が行われていることは、素晴らしいと思います。
日本においても、いろいろな国の良い面を吸収して、動物愛護の先進国の仲間入りをして欲しいものです。

小さい頃からの教育も大切なことですね。
無知が一番恐ろしいです。

爪とぎの国ちゃん。
KAZUさんも目を細めて喜んでいらっしゃいますね(*^_^*)
らぶ (2012/02/01 10:04 AM)
「ペットとして飼育される動物との共存」という意味では必要ないから駆除(殺処分)してしまおうという安易(かつ低コスト)な方向へは行きたく無いですよね…(・ω・`)
共存していく為にどうすればいいのか、難しい問題です。
ミッキー部長 (2012/02/02 4:30 AM)
marinemamaさん

本当におっしゃるとおりです。
何が正しいのか正しくないのかは、時代の流れの中で判断されることもあると思います。
考えながら前に進んでいくことが大切なのだと思います。
ミッキー部長 (2012/02/02 4:34 AM)
らぶさん

例えばイギリスでは野良猫と捨て猫は明確に区別されています。
野良猫をひたすらにTNRしてしまうことが果たして正しいことなのか、答えを出すのは難しいです。
極論するとすれば、もし日本国中の野良猫をTNRできるとして、そうしてしまったら、日本には街から猫が一切いなくなります。
猫族の絶滅です。
それを目標にTNRしているわけではありませんが、目標と意味を明確にすべき時なのかもしれませんね。
tamami (2012/02/02 3:57 PM)
TNRは、必要だと思います。
人間だって、家族計画するでしょう。
地球資源は有限なので、自然環境が持続可能な適正人口数で、抑えなければなりません。
猫も、適正数を維持するレベルで管理されることも議論されるべきだと思います。