純情仔猫物語

仔猫の一時預かりボランティアをしています。
里親探して三千里。どうかこの仔たちを家族の一員にと奮闘している泣き笑い日記です。

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今回の動物愛護管理に関するパブリックコメント(意見の募集)に関係するキーワードに「3R」と「5R」というものがあります。
初めてお聞きになる方もいらっしゃると思います。
私も勉強不足で詳しくは知りませんでしたが、あらためて調べなおしていますので、皆さんの参考になればと思い、一緒に勉強する気持ちで記事を書いています。

<「3R」について>
3Rとは「3Rの原則」と呼ばれ、動物実験における理念を指します。
海外では「The 3Rs」と呼ばれています。

<Replacement:代替法の利用>
コンピュータなど無生物を用いた完全置換、または系統発生学的に低位の動物を用いた相対的置換

<Reduction:使用動物数の削減>
より少ない動物数で同等の情報収集、または少数の動物を長期飼育して最大の情報収集

<Refinement:苦痛軽減を中心とする動物実験の洗練>
動物の福祉向上および苦痛の軽減・排除をもたらす飼育方法あるいは実験方法の改善

日本でも「実験動物の飼養及び保管並びに苦痛の軽減に関する基準(平成18年環境省告示第88号)」に基づいて、各研究機関による自主管理を基本として明文化されました。
ただし、あくまでも努力目標としての基準であり、実際の運用に関しては各研究機関、大学、医薬品会社などに一任されているのが現状です。
現在EUでは動物実験に関してはその数をはじめ、国が把握できる体制が整ってると言われています。
2010年に日本で動物実験に使われた動物の数は、同年のEU(ヨーロッパ諸国連合)におけるそれとほぼ同数となっています。
いかに日本の動物実験個体数が多いか分かります。
これも、日本では任意提出のアンケート結果によるものです。
実際にはより多くの動物たちが動物実験で命を落としていると考えられます。

動物実験の目的は一概で述べることはできませんが、基本的には必要のない苦痛を動物に与えるもので、近年ではその代替の模索が進められています。
コンピュータシュミレーション、試験管内での細胞研究、より系統学的には低位の動物を使用するなどがそれに当たります。

参考として地球生物会議ALIVEさんの該当サイトを載せておきます。
http://www.alive-net.net/animal-experiments/jikkenQ&A1.htm

海外サイトですが、「The 3Rs」についてまとめられています。
http://awic.nal.usda.gov/nal_display/index.php?info_center=3&tax_level=2&tax_subject=183&topic_id=1086

新薬の人体への影響などはコンピュータシュミレーションと実際の結果が異なったりすることがあるため、より人に近い動物を使用しなければ新薬を製造できないなどの、医療業界としては不可避と思われる実験などもあり、簡単に結論を出すことができない、非常に難しい問題です。
自分の子供が難病で苦しんでいて、その新薬の開発に動物実験が必要である、もしくは動物実験を経る事ができれば人体への有効性が確認できる、そんな状況があるとしたら、私たちは動物実験をどのように捉えればいいのでしょうか。

私としては、まず日本における基準のあいまいさ、ブラックボックス化してしまっている業界の閉鎖性をつまびらかにする必要があると考えます。
現在の日本で、どのような機関が、どのくらいの数を、どのような実験内容で行っているか、関係省庁(この場合は環境省になるのでしょうか)が把握できるような法制作りが必要だと思います。
まだ日本はその出発点にすら立っていません。

動物実験の苛酷さは言葉に表すことができません。
ネット上でも検索すれば具体的な画像等を探し当てることもできますが、皆さんにその現実を直視してもらうことがいいことだとも思いません。
ですが、少なくとも私たちが日々暮らしの中で使っている薬などは多くの動物たちの命の犠牲の上に作られているのだということは知っておきたいです。


<5Rについて>
5Rとは動物福祉における国際的な基本理念です。
日本では「5R」と呼ばれていますが、諸外国では「Five Freedoms」とよばれ、5つの自由を意味しています。

1. Freedom from Hunger and Thirst - by ready access to fresh water and a diet to maintain full health and vigour.

飢えと渇きからの自由 - 健康かつ覇気がみなぎるように適切な栄養ときれいな水が与えられている。

2. Freedom from Discomfort - by providing an appropriate environment including shelter and a comfortable resting area.

不快からの自由 - 快適な住みかを含めて、適切な環境が与えられている。

3. Freedom from Pain, Injury or Disease
- by prevention or rapid diagnosis and treatment.

苦痛と怪我や病気からの自由 - 不用意な怪我などしないような防止策がとられていて、万が一の際には迅速に診断と治療が施される。

4. Freedom to Express Normal Behaviour - by providing sufficient space, proper facilities and company of the animal's own kind.

種における日常行動を表す自由 - 適切な場所と施設およびその種における適当な個体数が確保されている。

5. Freedom from Fear and Distress - by ensuring conditions and treatment which avoid mental suffering.

恐怖と抑圧からの自由 - 精神的な苦痛を避けるために、適切な維持管理がされている。

1965年にイギリスで「the Brambell Report」というもののなかで提唱され、特に家畜(産業動物)の福祉に関しての提言でしたが、現在では国際的に動物福祉の基本理念として理解されています。
この提言により、The Farm Animal Welfare Advisory Committee (FAWAC)が設立されるにいたりました。

当時のこのFive Freedomsに関する文面をこちらからご覧いただけます。
http://www.fawc.org.uk/pdf/fivefreedoms1979.pdf

これは今回のパブリックコメントにおいては、1)虐待の防止 2)多頭飼育の適正化 3)自治体等の主要施設の項目に該当するものです。
3Rよりはこちらの5Rのほうがより身近に捉えられるかもしれません。
虐待というキーワードひとつをとってみても、果たして何が虐待に当たるのか、現在の動物愛護管理法では何も規定されていません。
このブログの読者の方でも、何匹もの犬猫と一緒に暮らしている方もいらっしゃると思います。
それが何匹までが適切に飼養できるのか、具体的な住む場所の面積に対して何匹まで、など詳しく規定する必要があるのかどうか。
それが言いすぎだとすると、過度の多頭飼育していて家人が亡くなったとき、ボランティア団体が救出に乗り出すことになるなどということはよくある話です。
それを防ぐためには過度の多頭飼育は禁止すべきとして、では「過度」とは何匹に当たるのか、これもまた難しい問題です。

まず大切なのは、パブリックコメントのたたき台である、

「動物愛護管理のあり方について(案) (「動物取扱業の適正化」を除く)」
「動物の愛護及び管理に関する法律施行令の一部を改正する政令案等の概要」

よく読んで見ることをお勧めします。
動物愛護管理のあり方検討小委員会では今何が議論されているのかよく分かります。

すべてに対して意見を述べる必要はありません。
問題に感じること、改善を希望すること、罰則の強化が必要とおもわれること、あなたの率直な意見を届けてください。
KAZUさんと一緒に小委員会の傍聴等に参加してくださり、前回のパブリックコメントもKAZUさんの下書きを推敲してくださった、二子玉川いぬねこ里親会のみよちゃんさんがブログに提出例としてアップしてくださっています。

動物愛護管理のあり方について(案)(「動物取扱業の適正化」を除く)に対する意見書(例)です。

動物の愛護及び管理に関する法律施行令の一部を改正する政令案等の概要に対する意見書(例)です。

あくまでも参考例ですが、一度目を通していただければと思います。
KAZUさんの思いを誰よりも理解してくださって、今回の法改正とパブリックコメントに力を入れてくださっています。

KAZUさんの動物愛護に関する考え方、その思いは「処分ゼロを目指して」のカテゴリーからご覧いただけます。
ぜひもう一度目を通してくだされば幸いです。
パブリックコメントに関しては、また日をあらためて記事を書きたいと思います。

ミッキー部長でした。


「純情仔猫物語メモリアルストラッププレゼント」



続々とお申し込みの封筒が届いています。
個別に受領のお知らせはできませんが、大切に保管しています。
受付日順に梱包していきますが、できる限りまとめて出荷作業を行いたいと考えていますので、お急ぎにならずとも大丈夫です。

こちらにまとめてあります。
時々加筆修正すると思いますので、申し込み前にはかならず一通り目を通していただき、この記事にしたがってご応募ください。

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| 19:15 | 処分ゼロを目指して | comments(6) | - |
モモ母 (2011/11/22 9:14 PM)
パブコメ、今回もモチロン提出しました!
動物全ての事に対して不透明過ぎる世の中が一日も早くいい方向に変わって欲しいと切に願っています。

色々と勉強になりました!
ミッキー部長さま、ありがとうございます!

ふぉれ (2011/11/22 11:05 PM)
わ、すごい!
大変だったでしょうね。
わかりやすいです。
ありがとうございます。

私もパソコン開いて頑張らなくては!
ラン&シルバママ (2011/11/23 12:30 PM)
分かりやすい記事をありがとうございます。
3Rについては知っていましたが、5Rは初めて知りました。

動物実験…化粧品だけでなく、ペットフードや某紅茶メーカーもしていましたね。
医薬品だって、何十年と販売していたのに効果がなかったと自主回収した物もあったり。
残酷な実験ではなく、代替法の研究に力を注いで欲しいです。

パブコメ送りました。
ふじこ (2011/11/28 3:04 PM)
パブリックコメントが参考になります。ブログで紹介させて頂いてよろしいでしょうか?
まあこ (2011/11/28 5:14 PM)
映画にもなったカズオ・イシグロのSF小説、
「わたしを離さないで」Never Let Me Go
臓器提供のために作り出された、
クローン人間のお話で、
ショッキングで切ない物語でしたが、
クローン人間である若者たちが、
実験に使われる動物たちと重なって思えました。
どの仔にも、一つ一つ、心も感情もあるのですよね。
便利な生活の陰で犠牲になってる命のこと
忘れてはいけないことですね。
ミッキー部長 (2011/11/30 3:41 AM)
ふじこさん

この記事で問題なければぜひご紹介いただければと思います。
よろしくお願いいたします。